運送業(一般貨物自動車運送事業)を始めたい方必見!許可申請の流れと要件を行政書士が解説

運送業(一般貨物自動車運送事業)を始めたい方必見!許可申請の流れと要件を行政書士が解説

「トラックで運送業を始めたい」「独立して物流会社を立ち上げたい」とお考えの方は多いと思います。しかし、一般貨物自動車運送事業を行うには、国土交通大臣の許可が必要です。この記事では、許可申請の流れや主な要件を、九州運輸局管内(鹿児島県・大隅地区)での実務に即してわかりやすく解説します。


一般貨物自動車運送事業とは

一般貨物自動車運送事業とは、「他人の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車を除く)を使用して貨物を運送する事業であって、特定貨物自動車運送事業以外のもの」をいいます(貨物自動車運送事業法第2条第2項)。いわゆる「緑ナンバー(営業ナンバー)」を取得して行う運送業がこれにあたります。

軽自動車を使った「軽貨物運送業(貨物軽自動車運送事業)」とは異なり、一般貨物自動車運送事業は許可制となっており、国土交通大臣の許可を受けなければ経営することができません(法第3条)。


許可申請の主な要件

許可を受けるには、貨物自動車運送事業法第6条の許可基準および九州運輸局が示す「一般貨物自動車運送事業及び特定貨物自動車運送事業の許可申請の処理方針について」(公示基準)の要件を満たすことが必要です。主な要件は以下のとおりです。

1. 営業所・休憩睡眠施設

  • 使用権原(自己所有または賃借)があること
  • 農地法・建築基準法・都市計画法などの関係法令に抵触しないこと
  • 賃借の場合は、概ね2年以上の使用が確保されていること(令和元年11月改正後)。なお、契約期間満了時に自動的に更新される条項がある場合は従来どおり認められます
  • 休憩・睡眠施設は、原則として営業所または車庫に併設する必要があります

2. 自動車車庫

  • 原則として営業所に併設すること(併設できない場合は一定の距離要件あり)
  • 計画する事業用自動車の全車両が収容できる面積を確保すること
  • 使用権原があり、他の施設と明確に区分されていること

車両の大きさ別の必要面積は、次の値が目安とされています。

車両区分必要面積の目安
最大積載量7.5t超38m2以上
最大積載量7.5t以下28m2以上
2tロング20m2以上
2t以下15m2以上

3. 事業用自動車

  • 最低5両以上の事業用自動車を確保すること
  • 車両の種別・大きさ・構造が輸送する貨物に適切であること

4. 運行管理者・整備管理者

  • 許可後、速やかに運行管理者を選任し届け出ること(法第16条第1項)
  • 運行管理者資格者証の交付を受けている者(試験合格者または一定の実務経験者)から選任すること
  • 整備管理者についても選任が必要です

5. 資金計画(令和元年11月改正後、審査が厳格化)

申請時点から、以下の自己資金が継続して確保されていることが必要です。

費用の種類必要な確保期間
人件費・燃料費・油脂費・修繕費6ヶ月分(旧:2ヶ月分)
車両費・施設購入費・使用料1年分(旧:6ヶ月分)

このほか、自動車重量税・自動車税・自賠責保険・任意保険などは、全車両の1年分を計上する必要があります。

6. 任意保険

  • 生命または身体の損害賠償に係る保険:被害者1名につき無制限
  • 財産の損害賠償に係る保険:一事故につき200万円以上(令和元年11月改正で追加)

7. 法令遵守要件(令和元年11月改正後、厳格化)

役員について、申請日前6ヶ月間(悪質な違反の場合は1年間)または申請日以降に、一定の行政処分を受けていないことが必要です。従来は「常勤役員」のみが対象でしたが、改正後は常勤・非常勤を問わず役員全体が対象となっています。


許可申請の流れ

  1. 事前準備・要件確認
  2. 申請書類の作成・収集
  3. 運輸支局へ申請書提出(鹿児島県内は鹿児島運輸支局)
  4. 審査(標準処理期間:おおむね3〜5ヶ月)
  5. 許可通知・登録免許税の納付(12万円)
  6. 運行管理者・整備管理者の選任届
  7. 事業用自動車の登録(緑ナンバー取得)
  8. 運輸開始の届出

申請先は、営業所の所在地を管轄する運輸支局です。鹿児島県内の場合は、鹿児島運輸支局(鹿児島市谷山港2丁目4-1)に提出します。


申請に必要な主な書類

  • 許可申請書(事業計画・運行管理体制等を含む)
  • 事業用自動車の運行管理・整備管理の体制を記載した書面
  • 施設(営業所・車庫・休憩睡眠施設)の使用権原を示す書類
  • 資金計画書・預貯金残高証明書
  • 法人の場合:登記事項証明書・定款等
  • 運転者の確保計画

申請書は原則として、運輸支局に提出のうえ、九州運輸局長あて1部・運輸支局用1部を提出することになります。申請者の控えとして、さらに1部用意しておきましょう。


欠格事由にご注意ください

以下に該当する場合は、許可を受けることができません(令和元年11月改正後)。

  • 許可の取消しを受けた日から5年を経過しない者(改正前:2年)
  • 処分逃れを目的として自主廃業を行った者
  • 許可を受けようとする者と密接な関係を有する者が、許可の取消しを受けてから5年を経過しない場合

まとめ

一般貨物自動車運送事業の許可申請は、要件が多く、書類の準備から許可取得までおおむね3〜5ヶ月程度かかるのが一般的です。令和元年11月の法改正により審査基準が厳格化されており、資金計画や施設の使用権原の確認が以前より重要になっています。

「どんな書類が必要かわからない」「自社の計画が要件を満たすか確認したい」という方は、ぜひお早めにご相談ください。


行政書士法人森谷彰太事務所では、一般貨物自動車運送事業の許可申請から緑ナンバー取得まで、トータルでサポートいたします。鹿屋市・大隅地区を中心に、鹿児島県全域のお客様からご相談を承っております。お気軽にお問い合わせください。

投稿者プロフィール

行政書士 森谷彰太
行政書士 森谷彰太
鹿児島県鹿屋市の行政書士。自動車登録業務専門の行政書士事務所で16年間の実務経験を積んだのち、令和3年8月に独立し行政書士森谷彰太事務所を開業。令和6年11月には法人化し、行政書士法人森谷彰太事務所として運営しています。

名義変更・車庫証明・バイク登録など、自動車登録に関することならお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人:行政書士 森谷彰太

鹿児島県鹿屋市の行政書士。自動車登録業務専門の行政書士事務所で16年間の実務経験を積んだのち、令和3年8月に独立し行政書士森谷彰太事務所を開業。令和6年11月には法人化し、行政書士法人森谷彰太事務所として運営しています。

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